【創業3ヶ月で5案件】リソース2名のスタートアップが、自社で案件管理システムを内製した話
課題
案件を複数抱えることにより、現状把握が難しくなった。
成果
案件の進捗から売上管理まで全て見える化できた。
案件は来る、でもリソースが足りない

スタートアップ創業者のリアルとして、最初の壁になるのがこれです。
お客様は来てくれる。でも、回す手が足りない。
弊社、株式会社RITAVERSEは2026年に愛知県豊橋市で創業したテクノロジーカンパニーです。「利他の精神でテクノロジーを社会に実装する」という経営理念のもと、地方の中小企業や個人に向けたテクノロジーソリューションを提供しています。
ありがたいことに、創業からわずか3ヶ月で5件のプロジェクトを並行して動かす状態になりました。Webサイト制作、業務システム開発、SaaSの開発支援、補助金活用のIT導入支援など、内容も多岐にわたります。
しかし、社員はわずか2名。代表の萩本陸汰と、もう一人。
このリソースで、5件の案件を「品質を落とさず、納期を守って、漏れなく」回す。これがスタートアップ創業期の最大の課題でした。
そこで私たちは、「自社の業務に最適化した案件管理システムを、自分たちで作る」という選択をしました。本記事では、その意思決定の背景と、内製したシステム「Project Pulse」をご紹介します。
同じようにリソース不足と戦うスタートアップ経営者の参考になれば幸いです。
創業期スタートアップが直面する「管理の壁」

代表の萩本は、創業してすぐにこの壁にぶつかりました。
提案・受注・設計・開発・納品・請求——プロジェクトには複数のフェーズがあります。これが1〜2件なら、頭の中で全部覚えていられます。3件、4件と増えていくと、頭の中だけでは追いつかなくなります。
最初はExcelで管理していましたが、すぐに限界が見えてきました。
- ファイルが個人PCにあるため、もう一人と情報共有しにくい
- 案件のフェーズが進んでも、状態を更新するのが面倒
- 請求書を出したかどうか、すぐに思い出せない
- 「あの案件、今どうなってる?」と聞かれても即答できない
社会経験が浅いスタートアップ経営者ほど、こうした管理の抜け漏れが致命的になります。経験則という武器がないので、システマティックに管理する仕組みがないと、すぐに足元が崩れます。
業績を伸ばすには、まず「案件を確実に回す土台」が必要だと痛感しました。
なぜ既存ツールではなく、自社で作ったのか

最初は当然、市販のSaaSツールを検討しました。monday.com、Backlog、Notion、kintoneなど、選択肢はたくさんあります。
しかし、検討すればするほど、スタートアップにはマッチしないことが見えてきました。
検討した既存ツールの課題
- コスト:1ユーザーあたり月額数千円。少人数でも年間で数万円になる
- 機能過剰:大企業向けの複雑な機能が多く、設定だけで時間が溶ける
- 業務に合わせるのが負担:ツールの設計思想に、自社の業務を合わせる必要がある
- 拡張の自由度が低い:「ここをもう少しこうしたい」が叶わない
特に最後の点が大きかった。
スタートアップは業務フローが頻繁に変わります。今日のベストな業務プロセスが、来月もベストとは限りません。固定化されたツールに合わせていては、変化のスピードに追いつけない。
「自分たちで作る」という決断
私たちはテクノロジーカンパニーです。お客様にDXを推進する立場の会社が、自分たちのDXを外部ツール頼みにしているのはおかしい。
そう考えて、自社の案件管理システムを、自分たちでゼロから内製するという決断をしました。作る側として、まず自分たちのために作る。これがリタバースのスタンスです。
内製したシステム「Project Pulse」

完成した社内システムには「Project Pulse(プロジェクト・パルス)」という名前を付けました。プロジェクトの脈拍を測り、健康状態を可視化するという意味です。
主要機能をご紹介します。
機能1:7段階フェーズによるカンバン管理
案件を以下の7段階で管理しています。
引合・ヒアリング → 提案・見積 → 受注確定 → 要件定義・設計 → 開発・制作 → 納品・検収 → 請求・入金
カンバンボード上でドラッグ&ドロップでフェーズを進められる設計にしました。マウス操作だけで直感的に進捗を更新できます。
機能2:ダッシュボードによる経営の見える化
ログイン直後の画面で、6つの経営指標が一目で把握できます。
- 進行中案件数
- 見込み売上(全案件の契約金額合計)
- 確定売上(請求済+入金済)
- 入金済の合計
- 未入金の合計
- 停滞アラート(動きが止まっている案件数)
数字が常に最新の状態で見える。スタートアップの経営判断は、これで圧倒的に速くなりました。
機能3:請求と入金の管理
案件ごとに請求書情報を登録し、ステータス(未請求/請求済/入金済)を管理。支払期日を過ぎた請求は自動的に「遅延」として警告表示されます。
請求漏れも入金確認漏れも、システムが防いでくれます。
機能4:停滞アラート
各フェーズでの滞在日数が自動計算され、長期停滞している案件には自動でアラートが立ちます。「フォローを忘れていた案件」を、システムが教えてくれます。
採用した技術スタック
参考までに、技術構成も共有します。スタートアップが内製を検討する際の参考になるはずです。
| 役割 | 採用技術 | 月額コスト |
|---|---|---|
| フロントエンド | Next.js + TypeScript | 0円 |
| バックエンド・データベース | Supabase | 0円(無料枠内) |
| ホスティング | Vercel | 0円(無料枠内) |
| 認証 | Supabase Auth | 0円 |
月額コスト合計:0円
少人数のスタートアップであれば、無料枠内で十分運用できます。SaaS導入なら年間数十万円かかるところを、ゼロ円で実現しています。
導入してわかった効果
実運用を開始してから、明確な変化がありました。
効果1:全案件の状態が即座に把握できる
ダッシュボードを開けば、5件すべての案件状態が一画面で見えます。「あの案件どうなってる?」を聞かれても、即座に答えられるようになりました。
スタートアップは、お客様への報告スピードも信頼を左右します。即答できる経営者と、確認に時間がかかる経営者では、信頼の積み重ねが違います。
効果2:請求漏れと入金確認漏れがゼロに
少人数のスタートアップで最も致命的なのが、お金まわりの抜け漏れです。Project Pulseの導入後、未入金額が常時可視化されているため、回収忘れがゼロになりました。
キャッシュフローが命のスタートアップにとって、これは経営の安定そのものです。
効果3:報告と判断の高速化
これまで頭の中にしかなかった情報が、すべて画面に出ています。週次の振り返りも、月次の経営判断も、データを見ながら即決できます。
「先月の売上はだいたいこのくらい」という曖昧な感覚値ではなく、「確定売上はいくら、入金済みはいくら、未入金はいくら」と数字で語れるようになりました。
効果4:お客様への透明性向上
これは想定外の効果でした。Project Pulseで自社の案件管理が安定したことで、お客様にも「今、どのフェーズです」「次は◯月◯日に納品予定です」と明確に伝えられるようになりました。
スタートアップは信頼が命です。透明性の高いコミュニケーションは、リピートにも繋がります。
スタートアップだからこそ、自社の業務をシステム化すべき
このプロジェクトを通じて、強く感じたことがあります。
スタートアップこそ、最初に自社の業務をシステム化すべきだと。
理由は3つあります。
理由1:創業期に作った仕組みが、後々スケールする
人数が少ないうちに作った業務システムが、組織が大きくなった時の土台になります。10人になってから慌てて作るより、2人のうちに作っておく方がスムーズです。
理由2:数字で経営する習慣が身につく
感覚値ではなく、データで判断する経営スタイルが、創業期から身につきます。これは、後々の資金調達やステークホルダーへの説明力にも繋がります。
理由3:技術力の証明になる
特にIT・テクノロジー系のスタートアップにとって、自社で業務システムを作れることは、お客様への最大の信頼の証です。「自分たちでも作れない会社が、お客様のシステムを作るのは説得力がない」と私たちは考えています。
まとめ:RITAVERSEの提供価値

私たちRITAVERSEは、テクノロジーで地方の中小企業・個人を支援するスタートアップです。創業すぐに5件の案件を抱える状況から、自社の業務を自分たちのテクノロジーで解決してきました。
この経験は、お客様への提供価値そのものです。
「Excelの限界を感じている」「市販SaaSが業務に合わない」「予算をかけずに内製化したい」——そんなお悩みがあるスタートアップ経営者・中小企業経営者の方は、ぜひ一度ご相談ください。
私たち自身が、まさに同じ課題を抱えていた当事者です。だからこそ、お客様の業務に寄り添ったソリューションをご提供できます。
スタートアップが、テクノロジーで成長スピードを最大化する時代です。私たちと一緒に、次の一歩を踏み出しませんか。
お問い合わせ: https://ritaverse.jp
主なサービス:
- 中小企業向けシステム開発(最短1ヶ月)
- 補助金活用支援(最大50万円負担)
- 業務システムの内製化支援
- スタートアップのDX推進サポート
会社情報:
- 株式会社RITAVERSE(リタバース)
- 所在地:愛知県豊橋市
- 創業:2026年
- 経営理念:利他の精神でテクノロジーを社会に実装する